【紙ふうせんブログ】

平成28年

紙ふうせんだより 9月号 (2017/04/14)

皆様、いつもありがとうございます。秋雨前線の停滞と台風で雨の多い月でした。雨天時の自転車操作はくれぐれもご注意ください。マンホールや横断歩道段差でのスリップ、交差点での出会い頭の衝突など。自転車のスピードは控えめに、早め早めの段取りで事故を未然に防いでください。

パラリンピックについて

障害者スポーツの競技大会の起源は、1948年7月28日、ロンドンオリンピックの開会式と同日に行われた、イギリスのストーク・マンデビル病院での競技大会です。この病院は「手術よりもスポーツを」というリハビリ理念を掲げており、競技大会の参加者は、第二次世界大戦で脊椎を損傷した元兵士たちで、この病院の入院患者です。この競技大会は毎年開催され、1952年にはオランダからも参加者があり、「第1回国際ストーク・マンデビル競技大会」となりました。

1960年、ローマオリンピック開催にあたって、同じくローマで第9回国際ストーク・マンデビル競技大会が開催され、これが現在パラリンピックの第1回大会とされています。大会の正式名称に「パラリンピックス」が用いられるようになったのは、1988年のソウル大会からで、“パラ”とは、もともとは“対”麻痺(下半身麻痺=Paraplegia)を指す言葉でしたが、パラレル(Parallel=平行)として、「もうひとつのオリンピック」という解釈もされるようになりました。なお、知的障害者の参加が認められるようになったのは、1998年の長野パラリンピックのクロスカントリースキーからです。

国枝がいるじゃないか

今回のリオ大会で、車椅子テニス男子ダブルスの国枝・齋田は銅メダルでした。国枝さんは、野球少年だった9歳のころ腰に違和感を生じ痛みがひどくなり足が動かなくなってしまいます。脊髄の腫瘍の手術後、下半身麻痺のため車いす生活となりましたが、小学校6年生の時、自宅近くにテニスセンターがあったのが縁で車椅子テニスを始めています。

世界のテニス界に錦織圭選手が躍り出るちょっと前の話です。『日本の記者が男子プロテニス選手のロジャー・フェデラーにインタビューしたときに「なぜ日本のテニス界には世界的な選手が出てこないのか」と聞いたらしいんです。するとフェデラーは「何を言っているんだ君は? 日本には国枝慎吾がいるじゃないか!」と言った。国枝慎吾とは2008年の北京パラリンピックで金メダルを獲得した車椅子のテニスプレーヤーですが、残念ながらこの国のジャーナリズムの障害者スポーツに対する認識はまだその程度ということでしょう。』(スポーツジャーナリストの二宮清純さんへのインタビュー記事「Premium web」より)

史上最高のテニスプレーヤーとの呼び声が高いロジャー・フェデラー(グランドスラム17回優勝)は、国枝を知らない日本の記者をたしなめたのです。二宮清純さんが指摘する認識の低さとは、健常者と障害者のスポーツの価値に優劣があるような“偏見”です。

グランドスラム達成という偉業 

テニスには、グランドスラムと称される、4大大会(全豪オープン・全仏オープン・ウィンブルドン選手権・全米オープン)があります。グランドスラムとはその大会で優勝することであり、グランドスラム達成とは、1年間で4大大会全てに優勝する事で、僅かな人しか達成していません。国枝信吾は2007年、史上初となる車いすテニス男子シングルスのグランドスラム達成をしました。また、国枝のグランドスラム(優勝回数)は、車椅子部門で男子世界歴代最多となる計40回(シングルス20回・ダブルス20回)です。

ウィンブルドンで5連覇したロジャー・フェデラーは、「グランドスラム達成をいつできるか?」と問われたとき、「僕よりクニエダの方が近い」と答えたといいます。超一流の選手ともなれば、世間の評価など関係なく凄いものは凄いと認め、そこから自分自身が何を学べるのかを考えるのでしょう。国枝選手も次のように述べています。

『「車いすだからここまでしかできない」という思い込みを取り払い、「健常者や格下の選手のプレーから盗めるものはないか」と常に考えて取り組むことが、今の自分を超えるために必要な要素。』

国枝選手に学ぶ

『人生は何が起こるかわからないですから、「毎日を悔いなく生きていこう」と思っています』

この国枝さんの言葉は、生老病死の現場に臨む私たち介護職にとっても重なります。

『すごく基本的なことなんですが、まずは一球に全力をかけてプレイすることが勝利への近道だと改めて気づきました。』

私たちにとっての一球は、一つの訪問に“一期一会” で臨む気構えと言えます。私たちにとっての“勝利”とは何か、それは競技の順位のような物差しはありませんが、利用者さんとの心の交流を深める事であり、また自身の人間的な成長ではないでしょうか。スポーツ選手であるか無いかや障害の有無等に関わらず、抱える課題は人それぞれです。病気や借金や人間関係など「なんで自分がそんな事で悩まなければならないのか」と、自身の課題を他者のそれと比べて優劣を論じる事に価値はありません。自身の課題に取り組んでいるかどうかが大切であり、今の自分を乗り越えようするところに“価値が生じてくる”のです。

『壁にぶち当たったり、一進一退を繰り返したときも「絶対に乗り越えられる!」と自分を信じれば、いい方向に行けると思うんです。』

『「自分に向き合う」作業に必要なのが「ノート」です。反省、取り組むべき課題、その課題を克服して得たことをメモする。「現状」と「課題」を記録し続ければ、「今、自分に必要なこと」が常に明確になり、成長への近道になります。』

介護の仕事は、その仕事内容から必然的に、自分自身と向き合う必要性が生じてくる事は、紙ふうせんだよりでも以前から述べていますが、ノートなどの記録をする事は、私としても耳が痛いところです。ただ、ノートまでは取らないまでも、自分の「現状」や「課題」を自覚しているかどうかは、自ら問う必要があるでしょう。基本的な事ですが、“より良いサービスを目指す事”は、それによって自分自身の課題が明確になり“成長の近道”となり、良い方向に行くという、自分自身にとっての価値が生じてくるのです。

利用者さんに良いサービスを提供する方法(参考)

  • 利用者さんを好きになる事逆に言えば、「悪い」と自分が考えているところのとらえ直し、再評価をする事です。 ・自分の空想や理念の中で生きている人 ・愚痴やなげやりな発言が多い人 ・意欲がわかずに弱っていく人
 
  1.    →静かに死や人生を見つめる無欲な目
  2.    →その発言の裏に秘められた「頑張ろう」という気持ちがある
  3.    →少年のような心
  4. それはどんな人に対してもです!!
  5. 利用者さんを好きになるためには「良いところをみつける」事です。
良いところが見つけられないのは、「自分がサボっているから」と考える。

利用者さんの、今見えているものとは別の面を引出し、良いところに気が付くにためには、自分のアプローチを変える事。具体的には、会話の中での「質問の内容」を変える事。

・本人の好きな事 ・自慢話 ・今の想い ・過去の想い…

★その方の心の世界に入っていこうとしていますか?

もし、新しい発見があれば、そこを糸口に、その方を好きになれます。

 

【良いところを引き出すための“仮説=想像力”

○この方は「こんな人」 ネガティブ仮説とポジティブ仮説を立てます。

・ネガティブ仮説は、その人の苦しみや悩みを考え、そんな経験をすればそうなっても仕方がない…というように、いたわりの気持ち(共感的理解)を自分が持てるようにするために、考えます。

・ポジティブ仮説は、「実はこの人はこんなにすごい人」との仮説を立て、その仮説を自分の感想として伝え、『そんなすごい面があるのは、どんな「考え」を持っているからですか?どんな「経験」をされてきたからですか?どんな「信念」を持って生きてきましたか?』等、心の琴線に触れる質問をしてみる。

 

ポジティブな内面を引き出す質問に喜ばない人はいません。自分の理解者を得られる事こそが孤独を生き抜く力です。これがエンパワーメントです。

 
  • 関係に飽きない事
 

飽きない為には、やはり質問が大切です。そのためには、「質問の仕方」を変えていく事です。

【良い質問の仕方】

・まずは、室内の様子等をよく観察する事です。相手に興味を持ってください。事実に着目して質問をします。(ネタは、「本」でも「食べ物」でも「テレビ番組」でも「レコード」でも何でもよい)

(例)本がいっぱいある これに気が付いたら、質問してみます。

「本がいっぱいありますね!」と、あくまで気軽な感じで聞いてみてください。もし、返事が無いようなら、会話の間が変にならないように、言葉を早めに重ねてください。もし自分が知っている事などがあるなら、「○○がありますね!?」と少し話題を掘ってつなげてみます。だいたいは、「○○はね、学生の時、はまったんだよ」等と、なにかしらの応えがあります。自分と共通項があることはうれしいものです。そうしたら、「○○は私にとっては□□ですよ」と必ず相手の言葉と意味を拾って返事をします。拾わないとここで会話が止まってしまいます。もし知っている事などが無ければ、素直に「どんな本を読まれるんですか?」と少し掘って聞きましょう。会話には心地よいテンポというものがあります。言葉を返す時に、考え込む時間が長いと気持ちの悪い会話となり、“気が合わない人”とのレッテルを貼られてしまいます。そしてこの時点で、既にもう他のネタが仕込まれている事に気をとめておいて下さい。

もしこの後の会話で「○○」についての話が途切れたら、「学生の時、○○にはまってと言っていましたけど…」とつないで、「どうしてですか?」とか「他には何にはまりましたか?」とか、さらには「私は△△にはまったんですよ~」と話題を拡げられる可能性があるのです。

そして、会話の終わりかた(回収の仕方)ですが、“おもしろい話を聞けた”“いっぱい話せてよかった”“知らない面を知る事ができた”等と、会話の全体に対して、つまりお互いの「関係性の進展」についての“肯定的”な総括をなるべく自然な形で伝えて締めくくります。この印象が残れば、次回また話をしたいという気持ちになります。次回の訪問につながる事を意識した締めくくりが大切です。

 

【悪い質問の仕方】(例)

「本がいっぱいあるんですね~~へ~~」→重いと、相手は質問者の意図をはかりかねて、返事しにくくなります。

「本がいっぱいあるんですね~、私と大違いだ…すごいわ~~」→質問に対して自分で答えており、相手が入ってくる隙がありません。また、「すごいわ~」といういきなり突きつけられた肯定的評価は、会話を楽しむ余裕を相手から奪っています。「そうでしょ、すごいでしょ!!実はね~」などど、高度な返答のできるような余裕のある利用者はほとんどいません。大抵は「まぁ~ね~」となり、会話は終わってしまいます。また、カンの鋭い人は、「私と大違いだ…」との言葉の無意識的な挿入に、自己卑下に対してフォローしながら会話をしなければならないめんどくささを感じ取とります。人によっては“私とあなたの違い”という“壁=拒否感”を感じ取ります。疲れてしまうので会話は気乗りしません。

また、肯定的な評価の言葉は、実はその内容(=相手)を十分に理解してから発しないと、うわべだけのゴマすりという印象を与えかねません。何がどう肯定なのか、相手の要素を具体的に伝えないと逆効果です。「私と大違いだ…」は自己卑下であり相手を評価する言葉にはなりません。乗り越えましょう。


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