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紙ふうせんだより

紙ふうせんだより 1月号 (2019/01/31)

「穏やかな生活」から「穏やかで豊かな生活」を目指して

ヘルパーの皆様、明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いします。昨年中に体調を崩された方や事故に合われた方は、今年は快方に向かうように、良いことのあった方は、良いことが次への基礎へとなっていくようにお祈りします。

これからの未来を大過なく過ごすことはできるのか?

2019年はどんな年になるでしょうか。もっとも安易な未来予測は“2018年と大して変わらない”という予測です。人や社会や経済には大きな変化を嫌う性質があって流動性にさらされても復元力が働きますから、この予測には根拠があります。このような人の心の性質は、昔から退職・退任のあいさつでよく使われてきた「大過なく過ごす」という言葉にも表れています。前例に縛られるような行政組織などの場合は特に“問題を起こさないように”こなす事に一定の価値があるのは確かで、実際に課題が何もないならば、前任者と同じ仕事のやり方によって安定感や信頼は維持されるでしょう。しかし、不確実性の高まってきている状況にあって、大過なく勤めようとし過ぎる事は、一歩間違えれば“何も仕事をしなかった”となってしまいかねません。判で押したような対応に慣れ、解決すべき課題を見過ごしているうちに、些細な事がついには大問題になってしまうのです。そして今、平成が終わるこの時代、社会情勢は不確実性を高めています。では、どうしたら良いのでしょう。

不確実性が高まる中での仕事のやり方

どのようなスタイルで仕事をしていきたいかは、仕事をする個人の主体的な選択に本来ゆだねられるべきものです。自分のスタイルに対する周囲の様々な評価を受け入れる必要もありますが、それを含めて責任を持って自分自身で決めていく事は自身へのマネジメントとなり、個人が良くマネジメントされていけば組織も上手く機能していくからです。しかし一方で、今置かれている状況はどのようなものなのかという視点を持ち、そこで自分が注力すべき事は何なのかを視野に入れていく事も、スタイルの確立と同じくらいの重要さがあります。自分自身の仕事は、自分だけで成り立っているものではありません。周囲との関係性への意識が薄くなれば、結局は自分が行き詰まってしまいます。自分のスタイルを確立しながら、同時に周囲の求めにも適切に応えていく。この同時作業が実は難しいのです。

この難しさは、先ほどの文章の「仕事」を「生活」に、「組織」を「家族」と読み替えて、利用者さんの生活として考えると客観的に理解できるかと思います。多くの要介護世代は、“老後”を大過なく穏やかに過ごしたいと願っています。それを願うあまりに「リハビリは要らない」「今のままで良い」と言って、不確実性の高まっているADLであるにも関わらず、自分のスタイルを変えようとしない方がいます。そのような頑なな方は、本当に一歩間違えて寝たきりになってしまう事があります。そうなるまでは“今年も変わらない”という願望を元に、何もしないでいても安定性を保って過ごせるだろうと漠然と考えていたのです。

安定性を保っているように見えるその背景 「複雑系の科学」

水を加熱すると水温は一定に上昇しますが、沸騰しはじめると温度上昇は止まり、臨界(りんかい)と呼ばれる状態になります。臨界では、水は水蒸気というまったく別の様相に変化(相(そう)転移(てんい))します。デンマークの物理学者パー・バクは、臨界と相転移を研究しているうちに、ある事に気が付きました。パー・バクはその気付きを砂山モデルとして説明しています。

平らなテーブルに砂時計のように砂を落としていくと砂山が形成されます。砂山は次第に高くなってこれ以上高くなれないところまで成長し、さらに砂をこぼし続けると砂山はどこかで雪崩を起こしながら一定の高さを保ち続けます。このとき砂山は、砂によって安定した形状を保っている(自己組織化)が、その形状は砂の流入によって維持されているという意味で臨界状態にあります。世の中の様々なものは、臨界という絶妙なバランスによって形を保ち続けている状態(自己組織化臨界)にあるのではないか?

この “自然のしくみ”は人間にも当てはまります。普通に安定を保っているように見える人間の身体は、体細胞や体細胞を構成する物質の絶え間ない新陳代謝や物質代謝の継続によって、実は動的平衡(へいこう)の中にかろうじて安定を保っているのです。「複雑系の科学」は、複雑なものを安易な要素に還元(かんげん)しないで、複雑な関係性そのものを理解しようという試みであり、人間理解にも役に立ちます。利用者さんのADLを砂山に譬えるなら、砂の供給量が日常生活動作であり、供給低下によって砂山はすぐに風化(廃用性)してしまいますから、砂の供給量をどうやったら確保できるかを考えていく事が、ADLの向上する介護となるでしょう。

「穏やかで“豊かな”生活」を目指して

利用者さんのADLが低下した時、私たちは安易に“利用者さんがリハビリを断ったから”などの個別的要素に還元して理解しがちです。一面的にそれは正しいのですが、利用者さんの気持ちの表現をそのままに受け止めるだけでなく、“その表現は、支援の関係性の結果として現れているのではないか”という視点も導入すると、より立体的な支援となるでしょう。実際、支援の関係性が利用者さんの気持ちに与える影響は、計り知れないほど大きいものです。関係性への着目が「穏やかで“豊かな”生活」の鍵となります。

どんな内容の支援でも、まずは気持ちだけでも利用者さんがヘルパーさんと一緒に行えている気分になれるように、支援内容を相談する声掛けをしながら支援を進め、利用者さんの気持ちの動きを感じ取っていきたいと思います。その中から、「本当は自分でやりたい」「自分ならこうしたい」という気持を読み取って“できるだけ共に行う”提案を試み、「工夫したらできるかもしれない」という想像を利用者さんにしてもらう事も大切です。利用者さんの諦めの気持の中には、説明不足や 決めつけと受け取られるような一方的な声掛けなど、私達の関わり方の課題もきっとあるでしょう。しかし期待するほどに人は変わりません。砂山に注ぐ砂のように私達の丁寧な取り組みもまた雪崩を起こし続けて、利用者さんの砂山は姿を保ったまま変わらないかもしれません。しかしその砂山のテーブルの下にもう一つ“意欲”という層があると考えてみて下さい。私達の注ぐ情熱の砂は、やがて臨界を迎えて下のテーブルに落ちはじめ、気が付いたら相転移のように意欲のテーブルには、“ヘルパーさんとの心の交流の楽しさ”や“生きがい”といった新たな砂山が築かれているかもしれません。

 

インフルエンザの予防接種を受けて下さい。1000円を助成します。

 

領収書を事務所までご持参下さい。(持参はなるべく当月以内)

<インフルエンザ患者数が200万人超え>

★すでに紙ふうせんのヘルパー・利用者さんが罹患しています。

★症状がまったく現れない「不顕性感染」というインフルエン

ザを発症する場合もあります。

★一般的にインフルエンザは急激に発症し、38℃以上の高熱、全身倦怠感、食欲不振などの「全身症状」が強く現れます。そのような症状がでない時でも、体調が悪い時はお申し出ください。

★高齢者などは、インフルエンザに感染していても免疫機能の衰えから生体防御反応としての自覚症状が出にくい場合があり、体に強い異常を感じることなく普通の生活を続け、周囲も感染させてしまうことがあります。

★利用者さんの体調をよく観察し本人の近況を聞きながら、気になる変化があったら報告をお願いします。

飛沫感染……感染している人の咳・くしゃみにより発生した

飛沫を吸い込む

接触感染……感染した人が触った直後のドアノブなどに触り、そのまま目、鼻、口に触る

【予防】人の集まるところでのマスク着用。うがい手洗い。電車のつり革などにも注意、洗わない手で食物や顔を触らない。洗顔も。スマホは油等でウイルスが生存しやすく、除菌ウエットティッシュで拭く。人前では咳エチケットに注意。

サービス実施記録を再確認!(記入漏れが多いです)

利用者印 ・ 利用者名 ・ ヘルパー名 ・ サービス内容  身体?生活?
「身体介護なのに身体にチェックが入っていない。生活援助に入っている!!」

などが最近とても多いです。特に“自立支援”の項は、記入欄が下の方にあるため、記入漏れが多いようです。事務所でその都度確認してしますが、記入漏れにはご注意下さい。

 

~~ヘルパーミーティングのお知らせ~~

【日時】 2019年 2月20日 水曜日 18:30~

梅丘の事務所内にて(祖師谷・梅丘含む訪問介護全体のMTGです)

★担当利用者さんの状況等・支援計画の変更の必要性の有無 ★今月の議題・伝達事項

会議参加手当(ミーティング)は1回につき1370円です。
【研修会】 関連項目 事故発生・再発防止 (小泉)

(関連項目はあくまで関連であり、内容はいろいろ膨らむ予定です)


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