【紙ふうせんブログ】

平成28年

紙ふうせんだより 6月号 (2016/09/15)

皆様、いつもありがとうございます。雨天時の自転車操作は注意して下さい。スピードの出し過ぎや急ブレーキは衝突や転倒の原因です。

さて事務所としましては、総合事業への移行など制度改正への対応で、2月頃からとても忙しくしていましたが、ようやく落ち着いてきました。

ところで、介護保険の制度改正と言えば、平成27年4月の、介護報酬の大幅なマイナス改定(身体2 404単位→388単位)がありました。そして、平成26年4月は、消費税が8%への増税にともなう、微増の改定(身体2 402単位→404単位)がありました。そのまた少し前、平成24年には生活援助の時間短縮(実質的な給付抑制)もありました。本来、介護保険制度は、制度の安定と発展性から3年に1回の見直しが原則となっていますが、こんなに頻繁に制度が変わっては、安定性もあったもんじゃありません。振り回される事業所はたまりません。重要事項説明書等の差し替えなど、追加の業務が山のように積みあがるばかりです。平成27年8月からは、一部の利用者(年金換算で単身280万以上、夫婦で346万以上の世帯)の自己負担が2割に変更にもなりました。どうしてこんなにコロコロと変わるのか、ここ最近、介護保険に限らずさまざまな政策が“拙速”のように感じます。

介護保険制度、これからどうなる?

特筆すべきは、平成27年4月の介護保険史上初のマイナス改定です。その影響を今年の1月の業界ニュース(ケアマネジメントオンライン)から拾ってみます。

「東京商工リサーチは1月13日、2015年(1月~12月)の全国の老人福祉・介護事業の倒産件数が、過去最多の76件(前年54件)であったと発表した。」マイナス改定が、経営継続への意欲を奪いトドメを差した事が想像されます。

また、「訪問・通所介護を運営する法人の4割超が赤字運営であることが、日本政策金融公庫総合研究所の調べにより、1月26日、明らかになった。」「撤退や縮小を考えている企業も、訪問介護で8.6%、通所介護で8.4%」とあります。介護保険制度の先行きに対して明るい観測を持っている事業者は多くないのです。

このような発表が相次ぐなかで国は一体どのような舵を切るのか、東京新聞の今年の1月21日の朝刊には、このような見出しが出ていました――

介護保険、家事援助除外も 軽度者対象の自己負担を検討(東京新聞見出し)

厚生労働省は二十日までに、介護の必要度が比較的低い「要介護1、2」の人を対象に、在宅での生活を援助するサービスの在り方を見直す方針を固めた。掃除や調理、買い物などの援助を介護保険の対象から外し、原則自己負担とすることを検討する。膨張する社会保障費を抑制する狙いがあるが、負担増につながる高齢者の反発も予想される。

トイレや入浴などの介助をする身体介護は見直しの対象とはしない。社会保障審議会の部会で二月から議論を始め、年内に結論を出し、二〇一七年の通常国会での法改正を目指す。

見直しの対象となるのは、主に介護ヘルパーが自宅を訪れる訪問介護の生活援助サービス。一三年度の厚労省の調査で、訪問介護の利用者のうち生活援助サービスだけを使う割合は、要介護1は50%を超えるため「ヘルパーを家政婦代わりにしている」との指摘が出ていた。財務省も昨年、介護の必要度が低い人については原則自己負担とするよう求めた。(後略)  (東京新聞 H28.1.21)

 

「介護の必要度が低い人については原則自己負担とする」とありますが、そもそも要介護度というものは、国の厳密な基準に照らし合わせ判定されたもので、“介護が必要だ”との国のお墨付きなのです。それを介護の専門家でもない財務省の“要介護1、2には介護(生活援助)は必要ない”というような主張はいかがなものでしょうか。

社会保障審議会の部会でも「生活援助を担うヘルパーが来なくなることで、利用していた人の状態悪化の兆候に気づかずに対応が遅れる」「介護保険からの軽度者外しは重症化を招く」との声が出ています。また、要支援(総合事業)ではサービスが自己負担1~2割で受けられるが、要介護になると生活援助は全額自己負担というおかしな事態になります。それとも総合事業と同じように、区市町村へ負担を押し付けようというのでしょうか。

平成27年度のマイナス改定をめぐる動き

平成26年11月、安倍首相は平成27年度に予定されていた消費税10%への増税を先送りの決定をし、財務省は恨みを飲みました。そのころ財務省は、「特別養護老人ホームにおいては、巨額の内部留保の存在が確認されている。→ 今後は内部留保が蓄積しない水準まで介護報酬水準を適正化することが必要。」(10/8財政制度分科会資料)と主張しています。そのため介護業界では、来年度改正は、特養はマイナス改定かもしれないが他の業種は現状維持と観測されていました。しかし蓋を開けてみると、翌年2月6日「賃金・物価の状況、介護事業者の経営状況等を踏まえた介護報酬の改定率は、全体で▲2.27%である」(介護給付費分科会)と、全ての介護事業のマイナス改定の方針が決定されます。4月開始にもかかわらず介護報酬の具体的な数字は「案」しかないという稚拙ぶりで、役所から介護事業所まで大混乱です。これは消費増税を見送る代わりにマイナス改定を財務省に差し出したという構図です。

消費税の増税の見送りと介護保険改正の関連性

これまでの動きを見ていくと、消費増税見送りの見返りとして介護給付費の削減を行うというのが政府の方針と考えて間違いないでしょう。2月18日の朝日新聞では「今夏の参院選を控えて与党議員が高齢者の負担増や給付減の議論に敏感なため、本格的な議論は参院選後となる見通しだ」と報じています。このままだと、来年度には要介護1・2の方の生活援助は全額自己負担が決定されてしまい、実質的には生活援助が使えなくなる事態となるでしょう。福祉用具や住宅改修も全額自己負担となります。住宅改修を見送ったばかりに転倒してしまう利用者さんも出てくる事でしょう。ヘルパーの買い物が命綱という利用者さんも多くいます。ヘルパーさんの仕事も減ってしまいかねません。

アベノミクスとして現在、日本銀行は日経平均採用225銘柄のうち約200社で保有率上位10位内に入る大株主となっています。また、政府は国民の資産である年金も株式市場に投じました。このような政府による株価釣り上げで利益を得た方もいるでしょう。しかしその後の株価下落で年金積立金管理運用独立行政法人の昨年度決算は、5兆円を超える運用損失が出ています。継続的な社会保障政策の実現の為には景気浮揚策や財源論も大切です。しかしそこで働く人を含めて、基本的人権とも言える“生活の継続性”も考えて欲しいのです。そして、何のため誰のための社会保障なのかという原点を忘れないで頂きたい。現場にいる私達は利用者さんを目の前にして、その方にとっての幸せを思い描いているのです。

★震災時対応について③★

まずは自分自身の安全確保と家族の安否確認は、ヘルパーさん含め全ての方の優先事項です。ただ、営業時間内の被災であれば、家族の電話が通じないなどの状況あるでしょう。その場合は焦って行動しない事です。自身の安全確保しつつ他の従業員との連携図りつつ冷静に対応しましょう。最終的には、全体状況の情報収集と利用者安否確認、そして高優先度順に利用者宅訪問へと行動は集約されていきます。

訪問介護としては、利用者安否確認に先立ってはヘルパーさんの安否確認がより重要になりますが、その対応は、「会社に報告」から「情報収集」までの流れと理解して下さい。ヘルパーさんも自分自身の状況を会社に報告をお願いします。しかし、やはり電話が通じない事もあるでしょう。災害伝言ダイヤルを活用しつつ、ヘルパーさんの行動も「帰社」(通常時は馴染がないかもしれませんが)が必要になってくるかもしれません。ヘルパーさんの行動も社員の行動も、基本的な考え方は同じです。

【災害時対応のケアプラン上の位置づけ~世田谷区への質問~】

「災害が起こった際に、利用者の安否確認を行い必要があれば“落下物の片付け”“安全なところへの移動介助”“食料の買い出し”などを臨時対応として行われると考えるが、それらを介護保険(訪問介護)で算定できるか。またその為に必要な事(ケアプランへの明記・内容等)は何か、具体的にご教示して下さい」と質問したところ、回答は「臨時対応は介護保険で算定できる。但し安否確認のみでは不可で、“何か”を行えば可。しかし“救助活動(と判断される記録)”は不可。ケアプランへの災害時対応の明記は望ましいが、無くても算定できる」との事でした。ケアプランへの明記は取り組んでいきたいところです。

【年休(有給)について】

年次有給休暇は雇用形態に関わらず、全ての労働者に適用されます。

週所定 労働日数 年間所定 労働日数 勤続年数
6ヶ月 1年 6ヶ月 2年 6ヶ月 3年 6ヶ月 4年 6ヶ月 5年 6ヶ月 6年 6ヶ月以上
4日 169日 ~216日 7日 8日 9日 10日 12日 13日 15日
3日 121日 ~168日 5日 6日 6日 8日 9日 10日 11日
2日 73日 ~120日 3日 4日 4日 5日 6日 6日 7日
1日 48日 ~72日 1日 2日 2日 2日 3日 3日 3日
 
* 週所定労働時間が30時間未満であり、かつ、所定労働日数が週4日以下又は年間216日以下の場合は以下の表の日数が法律上認められています。(週30時間以上・週4日以上の場合は、常勤と同じ扱いになります。)

時短労働者(パート)の年休取得時の給与計算は、平均賃金方式で、以下のような計算方式があります。
平均賃金の1日分 =前3ヶ月の賃金合計÷その期間の暦日数
 ※週所定労働日数が1日にも満たない場合(不定期勤務)の場合は、年休は発生しません。

皆様に、紙ふうせんだより発送時に配布している「休暇申請書」は“希望休”の申請のため、年休の申請とはなりません。年休の申請書は事業所にあります。

 

 


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