【紙ふうせんブログ】

平成28年

紙ふうせんだより 11月号 (2017/04/14)

皆様、いつもありがとうございます。11月だというのに雪が降り、大した積雪こそなかったものの濡れや冷えや自転車移動が大変でしたね。これから寒さは厳しくなってきますので、体調維持のためにも、濡れや冷えの対策を怠らないようにしてください。腹巻1枚追加だけでも、風邪や腰痛予防になります。また、早め早めの行動と早めの就寝を心がけてください。自転車操作はくれぐれもご注意ください。大雪の際の電車・バス移動は、申請して頂ければ実費会社負担となります。ただ、大雪の際は公共交通機関もあてになりませんので、ご苦労をおかけしますが、徒歩移動となるかもしれません。掃除などの不急のサービスは利用者さんにキャンセルをお願いするなどしますので、大量の積雪が予想される場合(地表付近の気温が0度を下回る時が危険ですので1月2月頃が要注意)は、申し出て下さい。

良い介護としての“自立支援”を考える

11月11日は、「介護の日」でした。「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」をキャッチフレーズに、“介護について理解と認識を深め、介護従事者、介護サービス利用者及び介護家族を支援するとともに、利用者・家族・介護従事者、それらを取り巻く地域社会における支え合いや交流の促進を目的として、平成20年に制定されました。

さて、介護保険法の第1条1項には、「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり(中略)これらの者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう(中略)国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け(後略)」とあります。このように介護保険法の考える良い介護とは「有する能力に応じ自立した日常生活を営むこと」として、“自立支援”である事が明確に示されています。

そこで、そもそもその人にとっての“自立”とは、一体何なのかを考えていかなければなりません。身体状況や生活環境に千差万別のある利用者さん一人ひとりにとって、何をもって自立と考えるのか。例えば、手足が全く動かなくて、日常生活全般に介助を要する身体障害のあるような利方でも、ヘルパーさんを上手に使いながら自分の生き方を追求し、日々“やりたい事”の実現を目指している方もいます。このような方に対して、介助を利用しているから“自立”していないとは言えません。自立とは、身体的な側面と精神的な側面の両方を含む言葉であり、生き方という面では“精神的自立”がより重要になってくるでしょう。

私たち介護職の仕事に置き換えて考えてみれば、リーダー等の指示がなければ判断が一切できないような思考停止状態があるとすれば、それは精神的自立ができていないという事になり、仕事ではいつも不安や責任転嫁がつきまとうかもしれません。このように考えると、要介護や障害の有無は関係なく、全ての人にとって“自立”への課題があると考えられます。リハビリによる回復が見込めないような方でも、その方の自分らしい生き方(死に方)ができるように、精神的な側面を支えていく事も自立支援となるのではないでしょうか。それは、その方が自分自身を知っていく“自己覚知”への過程を支援する事となるしょう。

“自立”の根本は、自分自身を知ろうとする事

利用者さんにリハビリを勧めてともうまくいかない時があります。本人が主体的に取り組まないと効果は上がらないからだ。自立支援には、利用者さんが自分自身や現状をどのように理解しておりどのような気持ちであるかを考えた支援が不可欠です。その気持ちの両側面を試みに下図に示してみた。ポジティブな気持ちが前面に表れている時、それ以外の気持ちは陰に隠れているが無くなってしまうわけではない。周囲の関わりや何かをきっかけに陰と陽は容易に入れ替わるし状態像も相前後するから、自分でも自分の気持ちが解らなくなるその時、自分自身の事をできるだけ知ろうとし自分なりに理解し、できる限り主体的に生きようとする肯定的な気持ちに対して、そのような状況に自らが陥るのは状況や環境のせいだとし、自分自身の気持ちからも逃げてしまうような拒否的な態度が一方にはあります。解ろうとしないのは誰かではなく自分なのです。感情の力は自分らしさと取り戻そうと、自らに働きかけます。自暴自棄も自分を虐める事によって自らを(自分自身の大切さを)知ろうとするギリギリの試みなのかもしれません。自分らしさの根本は自分自身を知る事であり、自立はそこから始まります。そして自立した生があるならば、自らの死を知り周囲の人と心を分かち合い、自ら落ち着いて赴くような“自立した死”もあるのではないでしょうか

汝自身を知れ

元高校教師の利用者さんと散歩をした時に、国士舘の学生が歩いていたので「先生の時に学生達に伝えたかった事は何ですか? いろいろな思いがありましたか? 一つのテーマがありましたか?」と伺ったところ、「一つだったね。“汝自身を知れ”という事を伝えたかった。生きる事の基本だからね」とおっしゃっていました。「長く生きて来られたと思いますが、自分では自身の事を知り尽くす事はできましたか?」と伺うと、「全然解らないよ」と微笑されていました。だからこそ少しでも知ろうとする努力が人生にとって大切なのです。この会話の翌日、この方は急逝されました。“死”は、ある意味で自分自身を知る事が出来る人生の最大のチャンスです。好奇心と希望を持って臨まれたのであろう事を信じ、ご冥福を祈ります。

 


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